昨年10月にキックオフした“仲間と学びあい支えあうビジコン”「スケッチオーデション」の2024-25大会もいよいよFINAL。3月15日(土)に富山大学黒田講堂にて予選大会(Day8)が、3月16日(日)にホテルグランテラス富山にて決勝大会(Day9)が開催されました。
Day8 予選大会
3月8日(土)にスケッチラボにて開催された予備予選を突破した16組18名の挑戦者(チャレンジャー)が翌日の決勝大会に進出する8組を選定する予選大会に挑みました。
予選大会の審査員は、主催団体の富山経済同友会、富山ニュービジネス協議会、富山大学、とやま未来共創チームから各1名ずつ、そして半年間挑戦者に伴走してきた応援者(メンター)から4名の計8名が務めました。
惜しくも予選進出を逃した挑戦者、そして応援者、一般観覧の皆さんが見守る中、16組の思いの詰まった熱いプレゼンが披露されました。


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ファイナリスト決定!
16組18名のどのプレゼンも素晴らしく、決勝に進出する8組を決める審査員の皆さんが悩みに悩んだであろうことは想像に難くありません。予定時間を超えても審査結果が出ず、会場は何ともいえない緊張に包まれていました。
そして、審査員が会場に戻り、毎年参加いただいている応援者の方が制作した迫力のムービーが流れたのち、いよいよ待ちに待ったファイナリストの発表となりました。
ファイナリスト8組は、AIによって抽選された決勝大会の発表順でアナウンスされました。
決勝に進出したのは、8組10名の挑戦者。決勝大会は翌16日(日)ですが、当日AM10時まではプレゼン資料のブラッシュアップが可能です。例年、たった半日しかない中でも、驚くほどプランやプレゼン内容をアップデートしてくる挑戦者が多くいます。
決勝大会はどのような結末になるのか。予選大会の素晴らしいプレゼンの数々が、翌日への期待を高めます。


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Day9 決勝大会
前日の予選大会の熱気も冷めやらぬ中、ホテルグランテラス富山にて決勝大会が開催されました。
決勝大会は、主催団体である富山経済同友会、富山ニュービジネス協議会、富山大学、とやま未来共創チームの関係者が集まり、ファイナリストの最後の舞台を見守ります。

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予選からわずか半日であるにも関わらず、やはり今年も予選から決勝までの短い時間でプレゼン内容を大幅に変えてくる挑戦者が何組もいらっしゃいました。夜通し挑戦者に伴走した応援者の存在が、プレゼン内容の短期間での大幅なアップデートを可能にしています。

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決勝の審査員は、Day6の特別講義で登壇した4名(堀内健后氏、渡辺今日子氏、橋口寛氏、野澤比日樹氏)に加え、Day1の特別講義で登壇したViXion㈱代表取締役の南部誠一郎氏が「是非決勝大会を観たい!」と来場されることになり、それならばということで急遽審査員に加わることとなりました。

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大会最年少参加者の特別プレゼン
ファイナリスト8組の白熱したプレゼンが終わり、審査結果が発表されるまでの間、会場では今大会に史上最年少(14歳)でエントリーし残念ながら予備予選敗退となったものの、その挑戦意欲は素晴らしいものだった山下蔵之助さんの「特別プレゼン」が行われました。
基本的には、予備予選で発表した内容をプレゼンするはずが、山下さんも発表内容をアップデート。ここでは書きません(書けません)が、最後の“魂の叫び”に会場は拍手喝采となりました。

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優勝は油谷駿杜さん!
予選大会同様、応援者作成の応援ムービーが流れたのち、事務局から受賞者が発表されました。
厳正なる審査の結果、「新卒プログラマー革命で日本を救う!」と題し、高校2年生でありながら日本のデジタル人材不足という課題を解決する決意についてプレゼンした油谷駿杜さんが優勝となりました。
なんと、これで優勝者は3年連続で高校生。少子化の時代ではありますが、現代の若者の挑戦意欲は頼もしく、未来は明るいと感じます。


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昨年度は3賞を学生が総ナメにしましたが、今年度の準優勝は『「ある」を感じ輝いて生きる!【Connect&Shine Base】設立』と題し、精神的に問題を抱えた人たちを無くすリトリート拠点の構想について発表したメンタルコーチの石黒葉月さん。社会人として一矢報いる?結果となりました。


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そして特別賞は、こちらも高校2年生の土井眞如さん。「身の回りにカラフルを増やしたい」と題し、富山のまちが暗いこと、人々の表情も暗いことを課題と捉え、まちや身の回りをカラフルに彩るソーシャルな活動について提案しました。予備予選から決勝まで、都度会場を笑顔で包み込むプレゼンは、誰もがこの取組を応援したい!と思わされてしまう、そんな共感でいっぱいの素晴らしいプレゼンでした。


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その他、急遽審査員からの提案で生まれた「審査員特別賞」には大学2年生の鈴木空さん、最もスケッチオーデションを体現し、そのプロセスを盛り上げた参加者に事務局が送る「MIP賞」は、こちらも大学2年生の久田蒼太さんと、大会史上最年少でエントリーし、半年間を最後まで挑戦し切った中学2年生の山下蔵之助さんの2名が選ばれました。


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また、挑戦者を伴走支援する応援者の存在もこのスケッチオーデションの特徴です。
挑戦者が選ぶ、応援者のMVPである「メンター賞」には、会社員の白﨑裕大さんが選ばれました。

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スケッチオーデションの価値
20人程度が参加する小さなビジコンからスタートした「スケッチオーデション」。第2回大会から冨田欣和氏の総合プロデュースとなり一気に大会規模を拡大するとともに、アントレプレナーシップ(起業家精神)の醸成と仲間づくりに主眼を置きつつ、挑戦者だけでなく応援者も育成し、イノベーションの土壌となるエコシステム形成を目指す伴走支援型プログラムとして生まれ変わりました。
総合プロデューサーの冨田欣和氏は言います。「応援者(メンター)の努力と献身こそがスケッチオーデション最大の価値である」と。とかくビジコンではプレゼンする挑戦者ばかりフォーカスされがちですが、挑戦者だけでイノベーションを生みだすのは非常に困難であり、挑戦には仲間の応援が必要不可欠なのです。

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また、スケッチオーデションの特徴は、ビジコンでありながらプランの優劣ではなくアントレプレナーシップを重視し、周囲が「この人を応援したい!」と思える存在になれたのかを問うていることにあります。今大会、惜しくも受賞を逃した挑戦者の中には「プラン」だけなら、あるいは「プレゼンの上手さ」だけなら受賞者に匹敵する方は数多くいらっしゃいました。しかし、本当の意味で「この人を応援したい!」と思ってもらえたか、ロジックを超えたところで他者を共感させられたか。スケッチオーデションが重視するのは、まさにこの部分です。ビジネスにもプランにも明確に軸足を置かないからこそ、ビジネスのみならず、まちづくりや社会貢献など、挑戦者の“やりたいことベース”で様々なプランが飛び出し、それが否定されることなく、挑戦者が生き生きとプレゼンできる。それこそが唯一無二のビジコンとしての「スケッチオーデション」なのです。


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誰のためのプログラムでありビジコンなのか
人はそれぞれ「一歩の幅」が違います。
心の底からまちづくりや社会貢献をやりたいと思っていた若者が、実際にやってみた結果、「継続するにはビジネスにしないといけない」と思ったとしたら、その若者にとってはそのときが起業するタイミングです。大人の都合で最初から起業やスタートアップ創出を目的に機会提供してしまうと、こういった可能性を秘めた若者が世に出る機会を奪ってしまうことになります。
それぞれ「一歩の幅」の異なる「人」にフォーカスすることなく、画一的に起業やスタートアップを志向させようとするならば、それは昨今批判されがちな「偏差値偏重教育」と本質的には何ら変わらないのではないでしょうか。

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我々事務局は、起業を目指そうが、まちづくりや社会貢献事業を目指そうが、すべての「人(=参加者)」にとって、夢の実現に最も重要なのは「アントレプレナーシップ(起業家精神)」と「仲間づくり」であると信じています。
私たちは、挑戦者と応援者が学びあい支えあうエコシステムを形成し、若者をはじめ地域に存在するあらゆるイノベーションの可能性を最大化するために、これからもこの「スケッチオーデション」という唯一無二の場を発展させ続けてまいります。