複雑な課題を「構造」で捉える。システムデザイン講座を開催しました!

Sketch Labでは、2020年から毎年開催している人気プログラム「システムデザイン講座」を、今年度も全4日間にわたって開催しました。

講師は、システムデザインの第一人者であり、「スケッチオーデション」の総合プロデューサーも務める、knots associates株式会社代表取締役/CEOの冨田欣和氏です。

地域課題、新規事業、組織の課題、顧客の困りごとなど、私たちが向き合う課題の多くは、ひとつの原因とひとつの解決策だけで動いているわけではありません。

本講座では、複雑な課題を部分的に見るのではなく、さまざまな要素のつながりや循環として捉え、そこから本質的な問いと新しい価値を生み出す「システムデザイン」を、講義とワークを通して実践的に学びました

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講師:冨田欣和 氏

knots associates株式会社 代表取締役/CEO

Day1・Day2 課題を「システム」として捉え、構造を読み解く

前半のDay1・Day2では、目の前で起きている出来事だけを見るのではなく、その背景にある「構造」を捉えることに取り組みました。

Day1では、システムデザインの基本的な考え方やマインドセットを学ぶところからスタート。「解決策」から考えるのではなく、そもそもの課題から考える「イシュードリブン」や、全体を見ながら段階的に考えを深めるアプローチ、多様な視点を活かしたチームづくりなどについて学びました。

そのうえで、参加者それぞれが仕事や地域、新規事業など自分の関心テーマを持ち寄り、要素同士の関係性を「因果ループ図」として可視化しました。

Day2では、Day1で描いた因果ループ図を「まず描く」段階から「深く読む」段階へと発展させました。この日の問いは、「その困りごとを生み続けている構造は、どのような形をしているか」。

強化ループやバランスループ、時間的な遅れ、システム・アーキタイプなどを学びながら、自分の図をさらにブラッシュアップ。参加者同士でも図を見せ合い、フィードバックを重ねながら、「なぜ同じ問題が繰り返されるのか」「どこを変えれば構造が動き始めるのか」を考え、変化を生み出すための「介入点」を探りました。

目の前の問題に対してすぐに解決策を考えるのではなく、問題を生み出している構造そのものに目を向ける。 前半2日間を通して、システム思考の基本となる視点を身につけていきました。

Day3・Day4 問いから価値を生み出し、「仕組み」へ

後半のDay3・Day4では、前半で課題の構造を読み解いたところから一歩進み、「どのような新しい価値を生み出すのか」を考えていきました。

Day3のテーマは「問いから価値を生み出す」。

「どうすれば売れるか」を「なぜ選ばれるのか」へ、「どうすれば便利になるか」を「どんな意味を持つ体験になるか」へ、「誰の問題を解くか」を「誰の未来を変えるか」へ。解決策を考える前に問いそのものを見直すことで、自分たちが本当に生み出したい価値を掘り下げました。

また、単に「便利になる」「役に立つ」といった機能的な価値だけでなく、「それが人や社会にとってどんな意味を持つのか」という視点から、自分のテーマやアイデアを捉え直しました。

そして最終日のDay4では、それまでに考えてきた問いや価値を、実際に変化を生み出す「仕組み」へと落とし込んでいきました。

前半では「現状を読み解くための道具」として使った因果ループ図を、今度は「新しい仕組みを設計するための道具」として活用。どこに介入し、その介入によって何が変わり、どのような好循環を生み出していくのかを図に描き加えました。

最後には、介入を描き加えた因果ループ図や価値コンセプトをもとに、それぞれの構想を発表。参加者同士でフィードバックを交わしながら、4日間を通して考えてきたアイデアを磨き上げました。

「答え」ではなく、本当に解くべき「問い」から考える

4日間を通して大切にされたのは、目の前の課題に対してすぐに「答え」を出すのではなく、「なぜこの状況が生まれているのか」「本当に解くべき問いは何か」を考えることです。

課題の構造を捉え、問い直し、新しい価値を考え、その価値が生まれ続ける仕組みとして描いていく。

参加者にとって、自分の仕事や地域課題、事業アイデアをいつもとは異なる視点から見つめ直し、構想を深める4日間となりました。

Sketch Labでは、これからも多様な人が学び、対話し、それぞれの想いやアイデアから新しい価値を生み出していく機会をつくっていきます。

次回のシステムデザイン講座もぜひ皆様のご参加をお待ちしております!