2月1日(土)と22日(土)の2日間、スケッチラボでは「プロトタイピング」を実践する特別講座が開催されました。
現在、スケッチラボが地元経済界と連携して開催するビジネスプランコンテスト「スケッチオーデション」がデザインフェーズに突入しています。3月から始まるプレゼンフェーズに向け、参加者は自らの想いを形にすべくメンターとの壁打ちに臨んでいますが、例年、参加者の多くは頭で思考するだけで、実際に形にして、そこからのフィードバックを元にプランを改善するといった行動が生まれにくいことが運営面における課題であり、このことから、スケッチオーデションも大詰めのこの2月に「プロトタイピング」をテーマにした2つの講座を開催することにしました。

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第1弾:~シリコンバレー発~ めちゃくちゃ速いプロトタイピング
プロトタイピング講座の第1弾は「~シリコンバレー発~ めちゃくちゃ速いプロトタイピング」と題し、米国でMBAを取得、シリコンバレーベンチャー勤務など在米12年の経験を有する川向正明氏を講師に招き、シリコンバレー流のラピッド(高速)プロトタイピングを体験・実践するプログラムとして開催しました。

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講座のスタートはチームビルディング。オープンスペーステクノロジーによって、自らの想いを実現したいリーダーが前に立ち仲間を募ります。そうして生まれた6チームが、
①コンセプトづくり
②プロトタイプ作成
③テスト1回目(行動観察)
④フィードバック1回目
⑤改善1回目
⑥テスト2回目
⑦フィードバック2回目
⑧改善2回目
上記①~⑧のプロセスに各10分間で取組みました。
各プロセスが10分という短時間ゆえ「上手くいかないかも」「失敗するかも」などとネガティブなことを考えている時間はありません。とにかく想いを形にする。その一心で参加者は頭と手を動かし続けました。


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プロトタイプ&テストの重要性を実感
参加者にとって大きな気づきだったのは「テスト(行動観察)」のプロセス。講師の川向氏はプロトタイプを実際に他の参加者に使ってもらい、フィードバックへとつなげるこのプロセスで「絶対におしゃべりしないこと。使う人がどう使うのか迷っているときも絶対に説明しないこと」と強くクギを刺しておられました。
これにより、あるチームのプロトタイプは使う側に「書く」という行為を期待していましたが、使う側が書いても良いものだと認識できず、結局このチームが作りたかったものは何かを理解できなかったという状況が生まれました。それにより、このチームは自らのプロトタイプのUI・UX改善の必要性を実感したのです。

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私たちは、こうした「意図が伝わっていないな」と感じるシチュエーションに遭遇すると「これはこうやって使うんです」「これはこういう意図で作りました」などとついつい説明してしまいます。しかし、良かれと思ってついやってしまうこうした行為は、より良いフィードバックを得る機会を喪失させているかもしれない。このことは参加者にとって大きな気づきでした。


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作成されたプロトタイプのいくつかは、さらなるフィードバックを得るためにスケッチラボに展示されています。本講座の多くはスケッチオーデション参加者でしたが、是非この経験をこれから始まるデザインフェーズ、そしてプレゼンフェーズに活かしてもらいたいです。

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第2弾:~新しいビジネスを生み出す力を身につける~ 1Dayノーコードプロトタイピング講座
プロトタイピング講座の第2弾は「~新しいビジネスを生み出す力を身につける~ 1Dayノーコードプロトタイピング」と題し、企画協力・メイン講師として㈱Weaventの西舘氏、さらにノーコードアプリ制作ツール「Click」を提供するMikosea㈱の工藤社長、長谷川氏、原田氏にも講師を務めていただき、ノーコードでのアプリ制作を体験・実践するプログラムを実施しました。

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講座のスタートは今回もチームビルディング。オープンスペーステクノロジーで、自らの想いを実現したいリーダーが前に立ち仲間を募ります。そうして生まれた10チームがClickを活用してアプリ制作に取り組みました。

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簡単にアプリ制作できる時代に
参加者は、自らのビジネスアイデアを形にするべく、Clickを活用し、自由な発想で様々なアプリを制作しました。ジャンルもまちづくりや観光、物流ビジネス、ウェルビーイング、コミュニケーションサポートなど様々です。各チームは、想定するユーザーへの提供価値をイメージしながらClickのワークスペース上に様々なページを作成し、ページごとの機能や各ページの動作・画面遷移を確認しながらアプリ制作を進めました。

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また、10チームのうち2チームは「スケッチラボアプリ」を制作。スケッチラボ会員の困りごとを解決し、場の価値を向上させるアプリの制作に鋭意取り組んでいました。
もしかしたら、このとき制作した「スケッチラボアプリ」が近日中にリリースされるかもしれません!

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最後に、各チームがアプリのプロトタイプをモニターに提示しながら発表しました。
講師を務めたMekosea㈱の皆さんからも「1時間程度のレクチャー、2時間の作業でここまでのアプリを作ってしまうのはスゴい!」と言わしめるほど面白いアプリがたくさん生まれました。講座で使用したアカウントは、参加者に3月末まで無料で開放されます。ここで作成したプロトタイプをスケッチオーデションのプレゼンに活かす参加者も出てくるのではないでしょうか。


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気軽にプロトタイピングできるラボ(実験室)に
今回、スケッチオーデション参加者をターゲットに2度のプロトタイピング講座を開催しましたが、事務局としても気づき満載のプログラムでした。今後、スケッチラボの場としての価値をさらに向上させるため、気軽にプロトタイピングできる場づくりを目指していきたいと思います。

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スケッチラボ会員の皆さまが ”想いを形(カタチ)に、そして価値(カチ)へ” とつなげられるよう、スケッチラボのスタッフ一同、今後もより良い場づくりに努めてまいります!