スケッチオーデション2024-25 Day5が1月25日(土)に開催されました。前回までのラーニングフェーズが終わり、いよいよデザインフェーズに突入。「想いを伝える」をテーマに掲げたこの日は、1ヶ月半後に控えたプレゼンテーション大会に向けてプレゼンの極意を学ぶ貴重な機会となりました。せっかく素晴らしいアイデアを思いついても、うまく伝えられなければ世の中には届きません。だからこそDay5では、相手の心を動かす伝え方を学びました。

特別講義:岡本知久先生から「プレゼンの極意」を学ぶ

Day5の特別講演者として登壇したのは、富山大学 学術研究部 芸術文化学系講師の岡本知久先生。これまで数多くの国内外ブランドの広告デザインに携わり、現在はデザイナーを目指す学生の指導育成に従事されている経験から、とてもわかりやすく「想いを伝える」極意を教えていただきました。

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広告の真髄は「何を言うか?」と「どう言うか?」だ

まず、岡本先生が強調したのは、プレゼンテーションのゴールは「相手の気持ちが動いて行動を起こしてもらう」ということです。ついつい資料を作ることがゴールになったり、あれもこれも詰め込みすぎてしまいがちですが、それでは何を言いたいかが伝わらず、相手に行動を起こしてもらうことができないということ。受け手の興味をつかみ取るためには、コミュニケーションをデザインしていくことが重要であることを教わりました。
デザインで大切なのは「解決になっているか」、そして「ユーザーに発見を提供できているか」だと、岡本先生は語ります。ユーザーは、商品を通して得られる価値を買っているからこそ、その価値を伝えるために「何を言うか?」、さらに最終目標であるヒトを動かし、モノを動かすために「どう言うか?」を考えることが大切です。受け手に「そういえば、そうだよ。なるほどね!!」と発見を提供できれば、その人は興味を持って自分事化してくれます。そのためには、あたりまえのことを言い換えて伝えるのではなく、解けた時に相手が「ハッ!」とするような“なぞなぞ”を投げかける仕組みが大切であることを学びました。

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手紙を書くように書く〜想像力が不可欠だ〜

前提としてヒトは他人の話に興味はないということ。だからこそ、「ああ、わかる!」と心の底から納得してもらうこと、つまり「共感」こそがメッセージを届けるための架け橋となります。そのためには、大好きな人へのラブレターのように目の前にいる具体的な誰かひとりを想像して話す。発信者の創造力だけでなく、受け手がどう感じ、心がどう変化していくのかを想像する、「想像力」こそが不可欠だという言葉にはハッとさせられました。
最後に、プレゼンの極意として①情報の交通整理をすること、②最も言いたいことだけに絞ること、③資料では縦や横などをちゃんと揃えること、④発表者の熱量や本気度が大切であること、の4つを学びました。また、岡本先生からは特に若い人に向けて、「失敗が成長させてくれる」「失敗は勉強だ」との激励メッセージがありました。不安を抱える挑戦者にとっては勇気をもらい、大きく背中を押してくれるものとなりました。

グループワーク:想いを伝える〜解きたい問いは何か?それを誰に伝えたいか?〜

特別講演の前後では、個人&グループによるワークで想いを伝える練習をしました。
前半はアイスブレイクも兼ねて、グループでお互いの問いをブラッシュアップ。どんな問いを解きたいと思っているかを言葉にし、フィードバックし合うことで新たな気づきを得ました。
後半のワークでは岡本先生の講義を参考に、まずは個人で「解きたい問い」や「何を伝えたいか」「それを誰に伝えたいか」をストーリーにまとめました。その後、グループに分かれてひとり5分程度で共有を行いました。想いを伝えることの難しさを感じながらも、より伝わるためにはどうしたら良いかを工夫する挑戦者の姿が印象的でした。

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応援者(メンター)企画による交流会「バルメン」の開催

講義の後は、恒例の交流会を開催。今回は、食事をしながらリラックスした雰囲気の中で挑戦者が応援者に直接相談したり、アイデアについて意見交換を行う「バルメン」を開催。和やかな雰囲気がありながらも、時には真剣に挑戦者はアイデアを語り、応援者はメンタリングを行う姿が見られました。終了時間を過ぎても熱いトークが繰り広げられるなど、大いに盛り上がりました!

いよいよDay6「さぁ、Sketch Auditionだ!謀反を起こせ!!!」

次回Day6は、決勝審査員4名による特別講演。トレジャーデータ(株)代表取締役の堀内 健后氏、(有)ブリッジワーク取締役の渡辺 今日子氏、(株)ユーフォリア代表取締役の橋口 寛氏、(株)ZENKIGEN 代表取締役の野澤 比日樹氏、各分野の第一線で活躍するスペシャリストたちが「謀反を起こせ!!!」をテーマに、熱く語ります。豪華講師陣の経験や実践から語られる内容から大きな気づきや学びを得られることはもちろん、決勝の審査ポイントについても語られる予定です。スケッチオーデション2024-25は、いよいよクライマックスへ。是非ご注目ください!!