”システムデザイン”(SDM)とは?

スケッチラボの大人気講座「システムデザイン講座」。
本講座で学ぶ「システムデザインマネジメント(SDM)」は、MIT(マサチューセッツ工科大学)で生まれ、日本では慶應SDM(慶應大学大学院システムデザインマネジメント研究科)で体系化された、論理的思考とデザイン思考、そして「システム思考」を駆使し、複雑な社会を“システム”として捉え俯瞰、構造化するとともに、解決するとインパクトのあるイノベーティブな問いを立て、そこからクリエイティブな解決策を導く思考法です。

SDMの軸となるのは日本ではあまり馴染みのない「システム思考」。
世界のアントレプレナーは当たり前のようにこのシステム思考を使っており、富山が生んだ知識人で、富山県成長戦略会議特別委員でもある安宅和人氏(慶應大学環境情報学部教授)も文部科学省に対し「システム思考は基礎教養」であるべきと提言されています。

スケッチラボでは、このSDMがVUCA時代においてオープンイノベーションを推進していくためには必須の思考法であると考え、施設を開設した2020年から毎年システムデザイン講座を開講し、このSDMを学べる環境を作ってきました。

記念すべき5年目となるシステムデザイン講座の講師は、今年も関西学院大学大学院教授でありスケッチラボが地元経済界や大学と連携して開催するビジネスプランコンテスト「スケッチオーデション」の総合プロデューサーでもある冨田欣和先生です。

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冨田欣和先生(関西学院大学大学院教授)

今年のテーマは「富山市の“移動”を考える」

今年のシステムデザイン講座のテーマは、富山市が推進する「スマートシティ」を念頭に「富山市の“移動”を考える」こと。
“移動”といってもヒトの移動もあれば、モノの移動、情報の移動、カネの移動など、様々な“移動”があります。

社会人から学生まで、10代から50代までの多様な参加者42名が8グループに分かれ、スマートシティにおける”移動”を考えます。
※定員30名のところ応募多数により参加枠を拡大しました、

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グループワークでは生成AIを積極活用

システムデザイン講座は、基本的に座学よりも実践的なグループワークを中心とした講座です。

Day1でも、
①イノベーティブなチーム名を決める
②“移動”に関するステークホルダーとその関心事を洗い出す
③関心事をグルーピングし特徴的なネーミングをする
④グルーピングした関心事のそれぞれ関係性を見つける
といったワークを行いましたが、今年のシステムデザイン講座では生成AIも積極的に活用しています。

グループワークにおける各作業行程において、どこで生成AIを使うのがアウトプットの質を高めるかを各自で考えながら、メンバーの頭と生成AIの双方を駆使した“ハイブリッド”なワークが行われました。

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そして、スケッチオーデションへ

スケッチラボでは、武蔵野EMC(武蔵野大学アントレプレナーシップ学部)と連携して「~これからの自分宣言~アントレプレナーシップ講座」を5月から開講しています。そのアントレプレナーシップ講座では、講師を務める武蔵野EMC生から次のようなメッセージが発信されています。

●ただ自分のやりたい気持ちだけでは“趣味”

●社会のニーズだけでは“奴隷”

自分の興味や関心に従って「まずやってみる」ことはとても大事。
でも、それが「誰かにとっての新しい価値につながっているのか」という視点は、ビジネスであれ、まちづくりであれ、何か新しいことに挑戦したり、そのために仲間をつくったりする際にはとても重要な視点になってきます。

また、スケッチラボでは、5月から6月にかけてアート思考やデザイン思考のプロフェッショナルをお招きし「未来共創とデザイン」を開講しています。そこでも講師から次のようなメッセージが発信されました。

●論理的な問いを論理的に解けば、皆同じ答えになる

●人は自分の見たいものしか見ない

システムデザイン講座では、社会を俯瞰、構造化したり、様々なフレームワークを駆使したりしながら、自分の普段の思考のクセに気づき、その凝り固まった価値観から脱却するための方法論を学び、解決策を考える前に、解くべき課題の質を高めることが重要であることへの理解を深めます。
多くの組織が陥っている“アイデア祭り”を回避し、イノベーティブな問い(解決するとインパクトの大きな課題)から誰も気がつかなかったクリエイティブな解決策を創出するための思考法、それがSDMです。

オープンイノベーションにおけるチームビルディングにも有効なSDM。
本講座には多くの社会人の方々も参加されていることから、SDMを学んだ参加者からどんな新しいビジネスアイデアが生み出されるか、事務局も楽しみにしています。
そして、SDMを学んだ参加者の中から一人でも多くの方に、その次のステップであり、10月にキックオフするビジネスプランコンテスト「スケッチオーデション」にぜひ挑戦してもらいたいです!