”仲間と学びあい支えあうビジコン”「スケッチオーデション」

スケッチラボの立ち上げと共に2020年度から始まったビジネスプランコンテスト「スケッチオーデション」。起業を目指す人だけでなく、企業で新規事業開発に携わる人、自分を成長させたい学生など「新しいことを始めたい人」であれば誰でも参加できます。

3大会目となる2022大会は、過去最多となる10代から60代までの82名(参加者67名、メンター15名)のエントリーがありました!

「オーディション」ではなく「オーデション」という名称にもちゃんと理由はあるのですが、それは一旦置いておいて、予選・決勝プレゼンテーション大会を前に今大会を振り返ります !!

Day0(プレイベント)

10/8(土)に開催されたDay0(プレイベント)では、伊藤羊一氏(Zアカデミア学長、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部長)をお招きし、「まずは一歩踏み出そう~社会を変革するアントレプレナーシップ~」と題した基調講演で、伊藤氏に ”魂のプレゼンテーション” を披露いただきました。

その結果、背中を押された当日参加者の約7割もの方々にスケッチオーデションにエントリーしていただきました !!

基調講演の他にも、スケッチオーデション2020大会準優勝、2021大会ファイナリスト、現在、2021大会のビジネスプランをもとに起業され、富山県の「T-Startup企業」にも選定された㈱Modeling X の山田航大CEOをお招きし、スケッチオーデション総合プロデューサーの冨田欣和先生(関西学院大学大学院教授)のモデレートにより伊藤氏を交えたパネルディスカッションが行われました。

また、このとき伊藤氏がスケッチラボを視察したことがきっかけとなり、同氏が所長を務める「武蔵野大学アントレプレナーシップ研究所」とスケッチラボ(とやま未来共創チーム)が12/22付けで包括連携協定を締結することになりました !!

Day1(キックオフ)

2022大会の総合プロデューサーは前回大会に引き続き、冨田欣和先生(関西学院大学大学院教授)。今大会はDay1-6の各回冒頭に、スタートアップ企業の経営者や学識経験者をゲストに招いての「特別講義」を実施しています。

Day1の特別講義の講師はスポーツテックスタートアップの日本のトップランナー㈱ユーフォリアの橋口寛Co-CEO。ビジネスは「何ひとつ思い通りに進まない」こと、「背中を預けられる仲間が重要である」ことに触れ、不確実性の中で結局は「仲間との出会い」が人生を決めていくことについて自身の経験をもとにお話いただきました。

特別講義の後は、冨田先生による講義。冒頭「ビジネスをつくるとは、仲間をつくること」というメッセージとともに、チームビルディングと課題発見の重要性について理解を深め、グループワークでは参加者同士が「やりたいこと」を共有しました。

Day2

Day2の特別講義は岡本知久先生(富山大学芸術文化学部講師)。

スケッチオーデションは今年度から富山大学も共催団体に加わり、会場もスケッチラボから富山大学に変更して開催しています。富山大学には会場提供以外にも特別講義の講師も派遣いただいており、Day2では元博報堂で某グローバル企業の国内プロモーションなどを担当されていた岡本先生をお招きし、「アイデアの伝え方」「顧客とのコミュニケーションデザイン」についてお話いただきました。

別講義後は、冨田先生から「提供価値」についてのレクチャーがあり、Pain/Gain分析のフレームワークを使用したグループワークを行いました。

Day3

Day3の特別講義は内田康郎先生(兵庫県立大学教授/元富山大学教授)。

内田先生からは「ビジネスモデルについて」と題し、国内外の大小様々なビジネスモデルの事例とその特徴について解説いただきました。事例の中には、県内の ”とある小さな企業” も紹介され、そのビジネスモデルと企業理念に大きな共感が集まっていました。

特別講義後は、冨田先生から改めて「ビジネスモデル」に関する一般的な類型について説明があり、グループワークを通じ、自らの想定するプランがどのビジネスモデルに該当するかについて相互に分析しました。

Day4

Day4の特別講義は彌重向太郎氏(ユニパレット合同会社CEO/元サイバーエージェント)。

彌重氏は大学在学中にサイバーエージェントに採用され社内起業した経験を持つ若手起業家で「事業創りのリアルについて」と題し、自身の経験談を交えつつ、事業開発のポイントについて分かりやすくお話いただきました。

特別講義後には、冨田先生から ”スケッチオーデションの伝家の宝刀”「プロセスフレームワーク」について説明があり、参加者は自身のプランをプロセスフレームワークに当てはめながら論理的に整理するワークを行いました。

Day5

Day5の特別講義はHRtechスタートアップの日本のトップランナー㈱ZENKIGENの野澤比日樹CEO。

野澤氏からは「HRtech企業の創業と人財ビジネスの現状と未来」「起業してから学んだこと」の2部立てで、前者においては現在ZENKIGEN社で展開する人財採用DXに関する事業戦略について、後者においてはソフトバンク孫会長やサイバーエージェント藤田社長にヘッドハントされ新規事業開発に携わった経験から起業に至るまでのご自身の経験についてお話いただきました。

特別講義後は、冨田先生から「市場について」のレクチャーがあり、フェルミ推定やTAM/SAM/SOMについて理解を深めつつ、自らのプランの市場規模について分析するワークを行い、その後、個別メンタリングを実施しました。

スケッチオーデションの特徴は、プレゼン大会にエントリーする「参加者」のほか、それを応援する「メンター」も育成していることです。明確な答えのないVUCA時代において、経験に基づく「アドバイス」は効果的ではない場合があります。ゆえに、私たちは参加者の「気づき」を促す「メンタリング」による伴走支援が有効と考えています。日常ではなかなか「メンタリング」の実践機会がない中で、メンターの皆さんもどうすれば参加者の主体的な気づきにつながるかという視点でのサポートを行っていました。

そして、個別メンタリングには特別講義講師の野澤氏も参加。参加者にとって貴重な壁打ちの機会となりました!

Day6

Day6の特別講義はDay0で基調講演に登壇いただいた伊藤羊一氏が再登場。

「夢を笑わない社会を創ろう~この国はもう一度立ち上がれる~」と題し、アントレプレナーシップの重要性、とりわけ「夢を語ること」、そして「他人の夢を笑わないこと」が大切であるとの熱いメッセージを届けていただきました。

特別講義後は、Day5に引き続き個別メンタリングを実施。参加者とメンターの皆さんによる1on1の壁打ちが行われ、なんとここでも特別講義講師の伊藤氏がメンターとして参加くださいました!
Zホールディングスの次世代リーダー育成を担い ”1on1の神” ともいわれる伊藤氏に壁打ち相手になってもらえた参加者の方は「とても良い気づきを得ることができた」と感激しきりでした。

Day6終了後には「予選・決勝プレゼンテーション大会」の概要が発表されました。

スケッチオーデションとは?

スケッチオーデションは ”仲間と学びあい支えあうビジコン” をコンセプトとしています。ビジネスプランコンテストではありますが、主催する私たちにとってビジコンはあくまで「手段」であり、「目的」は富山にアントレプレナーシップを醸成すること、挑戦者のための「仲間づくり」の機会を提供すること、そして地域の人財が一歩踏み出すチャンスを提供することです。

総合プロデューサーの冨田先生が一番最初に参加者へ贈ったメッセージは「ビジネスをつくるとは、仲間をつくること」でした。

スケッチオーデションでは、プログラムの合間も「スケッチラボ」に集まったり、チャットツール「Slack」を活用したりしながら、メンターのみならずコンテストではライバルになるはずの参加者もお互いに壁打ち相手となり、みんなでプランのブラッシュアップを行います。そして、このプロセスこそが ”仲間づくり” を促します。

「ビジコンなのに手の内をライバルに見せるの?」という方もいらっしゃいますが、参加者のゴールは ”賞を取ること” ではなく ”夢を実現すること” です。私たちは夢を実現に近づけるために必要なのは、”賞” ではなく ”仲間” だと考えています。

私たちは「スケッチオーデション」を通じて、挑戦者と応援者を育み、富山にアントレプレナーシップを醸成し、地域の経済社会の発展に貢献していきます。